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AIによる人間味あふれる自然な応対を実現!『LINE AiCall』でCX向上とDX推進を同時実現する世界

LINE AiCall

 

2020年218日・19日にデジタル革命の最前線を体感できる「東京デジタルイノベーション 2020」が開催されました。イベント内のセミナーで、LINE BRAINカスタマーサクセスチーム マネージャーの熊谷がLINEが開発した音声応対AIサービス『LINE AiCall』についてお話しました。

Blogでは当日のセミナー内容を元に、『LINE AiCall』で実現するCX(カスタマーエクスペリエンス)向上とDX(デジタルトランスフォーメーション)推進について、実証実験を行った店舗の効果と合わせて、一部詳細を追記してご紹介します。

 


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熊谷 彰斉(Kumagai Akitada)
AIカンパニー LINE BRAIN室 カスタマーサクセスチーム マネージャー

1997年にNTTに入社、分社後NTTコミュニケーションズ株式会社にて、主に法人向けのソリューションビジネスに従事。業務アプリケーションのSEPM業務から始まり、コンタクトセンター業界向けのSI業務およびクラウドサービスの企画開発、AI事業「COTOHA」の立ち上げを実施。現在は現職にて、LINE BRAINにおけるカスタマーサクセスの業務に従事。また、AIコンサルタントとして、日本コールセンター協会主催のコンタクトセンター向けのAI講座を担当し、コンタクトセンターの業界の発展に尽力。


 
 
目次
・LINE / LINE BRAINについて
・『LINE AiCall』とは?
・音声対話AIに関するマーケット状況
・『LINE AiCall』の実証実験について
・LINE AiCall Collaboration

 

●LINE / LINE BRAINについて


LINEアプリは、20116月にサービスを開始し、今や世界230以上の国と地域で利用されています。日本では8,300万人の方にご利用いただき、その数は日本の総人口の65%以上にもなります。また、毎日ご利用いただいている月間ユーザー数は86%以上で、性別・年齢問わず社会的にも日本国内の「生活インフラ」として定着しています。

LINEでは、LINEアプリを入り口として、オンライン・オフラインを問わず、人・情報・サービス・企業・ブランドとシームレスに繋がり、全てがワンプラットフォームで完結する「スマートポータル」の実現を目指しています。「広告」をコア事業とし、「Fintech」や「コマース」、「AI」を戦略事業として位置付けています。

昨年7月にはLINE BRAINの事業戦略説明会で、「LINEAIテックカンパニーを目指す」ということを発表しました。今までもB2C向けのLINEアプリ内で複数のAI技術が使われていましたが、事業戦略説明会を機に、その洗練された精度高いAI技術を企業向けに販売していくことになりました。

 

LINEAI技術を活用し展開してきた製品やソリューション一例

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スライド左上から

・チャットボットLINEに関する問い合わせを行うLINE公式アカウント LINEかんたんヘルプ
・音声認識LINE Clova(スマートスピーカー)
・音声合成Gatebox(キャラクター召喚装置)
OCR   LINE CONOMI (レシートを読み取るOCRを活用)
・画像認識LINE ショッピング内のLINEショッピングレンズ(写真を使って検索できるサービス)

など

 

●『LINE AiCall』とは?


LINE BRAIN AiCall』はLINE BRAINAI技術である「LINE BRAIN SPEECH TO TEXT」(音声認識)と「LINE BRAIN TEXT TO SPEECH」(音声合成)、およびDialogue Control(会話制御)の仕組みを組み合わせて作られています。Dialogue Control(会話制御)には特にこだわっており、会話の間、レスポンスなどのスピードを自然なテンポにすることで、ユーザーとの滑らかで自然な会話を実現しています。

全体像としては、CTI(※1)/PBX(※2)と連携し、『LINE AiCall』を通して、CRM/Booking databaseに接続されるイメージです。

(※1)「CTI」… Computer Telephony Integrationの略。コンピューターと電話を統合した技術またはその技術を使ったシステム
(※2)PBX」…Private Branch Exchangeの略。電話回線の交換機のことで、外線の接続を管理・制御したり内線同士を繋げるシステム

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システム連携においては、フロントエンド部分の
CTI/PBXにはSaaS型やオンプレミスの電話システム、ウェアラブルデバイスなどと連携しやすい環境を整えています。また、バックエンド部分のCRM/Booking databaseでは予約台帳システムやCRM、社内業務システム、他社API接続サービスとの連携により顧客管理や予約完了などを可能にしています。

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ユーザーとの自動会話自体は音声認識、音声合成、チャットボットなどの市場にある単機能AIを組みあわせてもできることですが、ユーザにとって違和感がなく、自然で人間らしい会話ができるのは、『LINE AiCall』ならではです。

また、『LINE AiCall』の特徴は業務(タスク)完遂型の音声対話AIであるということです。つまり、人間のように会話をしながら、ただ単純に問い合わせに応えるというだけではなく、レストランの予約を完了させるなど、人間の代わりになって業務(タスク)を完遂することが可能で、そこにもこだわりを持って提供しています。

 

--どのように人間らしい声、会話を実現しているのか?

LINEが独自に開発しているAI技術についてもう少し詳しくご説明します。

・「LINE BRAIN SPEECH TO TEXT」(音声認識)
ディープラーニングを活用し、音響モデルと言語知識などのパターン認識技術を使い、人が話す言葉を文字に変換する技術です。この技術はもともとB2Cで展開しているスマートスピーカーの『LINE Clova』で使用されている技術で、高い精度を実現しています。
また、音声認識結果を分析したいというニーズに応え、「LINE BRAIN TEXT ANALYTICS」との連携により、音声認識で起こしたテキストからの検索や感情分析などを将来的に提供予定です。

・「LINE BRAIN TEXT TO SPEECH」(音声合成)
DNN(※3)音声合成の技術により、人間らしい声の抑揚・表情、人間に近い肉声感を再現しています。一般的に人間に近い自然な音声にしようとすると数十から数百時間分の音声データが必要ですが、「LINE BRAIN TEXT TO SPEECH」では数時間程度の少量の音声データで高精度な人間に近い自然な声を提供可能にしました。

(※3)Deep Neural Networkの略。コンピュータで用いられる数値や計算式などを使って人間の脳機能を再現して作られたもの

 

--AI導入の際のキー”AI代替率”

AI導入の際には、人からAIに置き換えたことでどういったKPIで考えたらいいのかわかりづらいことが多いと思います。ここからは、私が導入を希望されているお客様とよくお話ししているAI代替率の一例についてお話しします。

AI代替率とは、業務(タスク)をAIに代替した時にAIで代替できる業務の割合を数値化したものです。よくある業務の2パターン、「業務を完遂するタイプ(タスク型)」と「問い合わせのみ対応するタイプ(情報提供型)」でご説明します。

 

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タスク型AI代替率については、図に記載の通り3つの指標で考えています。

  1. 「対象業務の割合」は、全業務の中で何割をAI化するのかのことです。
  2. 顧客情報の管理率」は、顧客情報がデータ化されている割合のことです。ユーザーが話した名前や電話番号などを顧客情報との照会をする際に、この顧客情報のデータが必要になります。業務(タスク)完遂するために重要な要素となります。
  3. AIの精度(業務完遂率)」は、音声認識などのAI単機能の技術精度ではなく、AIがユーザーとの対話を理解し、一連の業務を遂行する目標数値となります。

この3つを掛け合わせたものを指標とし、導入検討企業の方々と導入効果や対象業務などを話し合い、AIの導入計画を進めています。図で挙げた例の場合は、3つを掛け合わせるとAI代替率は61.2%となります。この数字は業務(タスク)完遂型では高い部類にあたります。
(対象業務の割合:90% × 顧客情報の管理率:85% × AIの精度(業務完遂率):80%61.2%

 

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一方、情報提供型AI代替率については、情報を返すだけのシステムなので、業務を完遂するために必要な顧客情報と照会がいりません。2つの変数のみとなりB.「顧客情報の管理率」がなくなります。そのため、AI代替率は72.0%となります。一般的に業務(タスク)完遂型の割合よりは大きくなります。
(対象業務の割合:90% × AIの精度(業務完遂率):80%72.0%

このように、タスク型と情報提供型ではAI代替率は異なるので、費用対効果がそれぞれ変わってきます。
具体的な数字は企業状況によって変わってくると思いますが、ご参考にしていただけたらと思います。

 

●音声対話AIに関するマーケット状況


ここ数年AIに関する話題も多く、導入を検討される企業も多くなっていますが、今後市場規模はどれくらい伸びていくのか、音声市場にフォーカスし詳しくご説明していきます。


AIの音声市場は大きく分けて3つあり、カンバセーションAI、音声処理市場、対話エンジン市場があります。中でも特に注目度が高いのがカンバセーションAIのマーケットで、中身は次の通りです。

・カスタマーサポート …問い合わせ対応/航空券や宿泊施設の予約/参照など
・社内業務支援    …ヘルプデスク業務/会議室予約など
・フィールドサポート …在庫確認/納期確認/製品や施設の修理・保守など
・音声アシスタント   …情報収集・検索/機器操作など


市場規模は、下の表のように右肩上がりで伸びていることがわかります。2030年には300億円規模程度になると言われており、関連するインテグレーションやサービス全体を含めると1,500億円を超える市場規模になっていくと考えられます。

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また、音声処理市場、対話エンジン市場も同様に右肩上がりで伸びていくと予想されています。

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音声対話AIに関するマーケットは、右肩あがりの成長市場となっており、検討/導入する企業も増えることにより、今後さらに大きく伸びることが期待される市場になると予想されています。

 

●『LINE AiCall』の実証実験について


2019年11月〜2020年1月に実際の店舗(「俺のGrill&Bakery 大手町」)で電話予約を『LINE AiCall』が対応する実証実験を行いました。(参考記事:AI電話応対サービス「LINE AiCall」、本日より実用化に向けた実証実験を「俺のGrill&Bakery大手町」にて開始

 

全体像としては、フロントエンドは株式会社エビソル様の「ebica IVR」で電話を受け、『LINE AiCall』と連携し、バックエンドは「俺のGrill&Bakery 大手町」様が導入している株式会社エビソル様の飲食店向け予約管理システム「ebica予約台帳」と連動させています。

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導入前は、ユーザーから電話がかかってくると「ebica IVR」で3つの選択肢(1.予約/2.変更・キャンセル/3.その他)で振り分けを行っていました。今まで店舗に直接電話がかかる仕組みになっていた部分(1.予約)を、『LINE AiCall』が担いました。

 

--飲食業界の課題

飲食業界の電話予約には特徴的な課題があり、予約のタイミングにより店舗に大きな負担になっています。
電話予約は当日か前日の来客が多い時間帯に電話がかかってくる割合が高い傾向にあり、スタッフの方の負担になっています。
また、お客様に対しても、店舗の営業時間外にかかってきた電話はスタッフがいないため対応することができない、などの課題があります。

 

--実証実験の結果

実証実験の結果は、LINEAiCallにて期間中に予約業務など、約80%のタスクを完遂することができました。また、それにより、スタッフの稼働の軽減などの効果がありました。

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LINE AiCall』が行った80%の業務(タスク)は、予約受付や、また、単に予約だけを受付するのではなく、ご希望の日時が空いていなかった場合に他の空いている時間のリコメンドや、必要に応じて店舗への転送なども対応しました。

リコメンド機能は、例えばお客様が19時に予約したいがその時間が満席だった場合、要望に一番近い空いている別の時間(例:19時半)を案内することが可能です。また、喫煙禁煙などの質問にも対応します。お客様から店舗につないでほしいとリクエストがあった場合は店舗への切り替えを対応することも可能です。

また、お客様は予約目的に電話されてくるため、意外と予約以外のことを質問しない傾向にあることがわかりました。そのため、業務設計をさらに綿密に行えば、より完遂率の高い対応をすることができると感じました。

 

--LINE AiCall』で飲食業界において実現したいこと
 
LINE AiCall』により、飲食業界に関してはスタッフの業務負荷を軽減し、接客や調理などのお客様へのサービスに集中できる環境作りをすることでCS向上に貢献したいと考えています。

また、飲食業界全体の損害額が年間で約2,000億円ともいわれている「No show」(予約の無断キャンセル)などの課題についても、解決に貢献していきたいと考えています。

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--『LINE AiCall』の今後の展望

今回はレストラン予約のケースでしたが、今後はコンタクトセンター、流通、金融、通信、製造業界などさまざまな分野においても、オペレーターやスタッフの業務負担を軽減するとともに、企業がお客様へ質の高いサービス提供ができる環境作りの支援をしていきたいと考えています。

また、LINEの他サービスとの連携はもちろん、他社の外部サービスとの連携なども実現し、LINEが目指す「ひとにやさしいAI」のある社会の実現に向け、さらに品質・精度の向上に取り組んでいきます。

特にLINEアプリによる予約完了通知対応については、お客様からの要望も高く、電話で予約後にLINEにメッセージが送られ、予約情報を確認できる仕組みも実装していきます。

 

LINE AiCall Collaboration


最後になりますが、コラボレーションについてのお話です。

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LINE AiCall』は、図にあるような企業様と一緒に取り組んでいきたいと考えています。 

  • SaaS」「オンプレミス」「ウェアラブル」などの音声対話フロント部分の提供企業
  • コンタクトセンター向けの「CRM」や「業務アプリケーション」の提供企業
  • 企業内システムの「業務アプリケーション」の提供企業
  • レストラン、ホテル、会議室、社員などさまざまな業界にある「予約台帳・スケジュールシステム」の提供企業

 

自社導入やコラボレーションにご興味がある方は、ぜひお問い合わせください。

 

 



 

 

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