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オンライン本人確認『LINE eKYC』を活用した業務プロセスの効率化とLINEアプリを活用した新しい顧客体験の創出

2020年729日〜85日に、LINE株式会社の法人向けAI製品・ソリューションを紹介するカンファレンス「LINE AI DAY LINEで実現するニューノーマル時代のCX〜」が、オンラインで開催されました。本レポートでは、金融業界や地方自治体を中心に導入が進むオンライン本人確認『LINE eKYC』についてのセッション内容をまとめています。

eKYCとは?

銀行の口座開設やクレジットカードの発行時に必要な本人確認を、店舗への来店や郵送をすることなくオンラインで完結する仕組みのことです。今まで郵送などで時間がかかっていた手続きが、スマホやWEB上で完結するため、スピーディに本人確認を行うことが可能です。

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eKYCにおいて、本人確認書類と本人が同一であることを判別するためには、AIの高い認識精度が不可欠です。また、ユーザーが本人確認書類や自身の顔を撮影する必要があるため、使いやすさや分かりやすさが求められます。

 

LINE PayにおけるeKYCの取り組みと今後の展望

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--「LINE Pay」のサービス概要

LINE Pay株式会社(以下、LINE Pay)は、モバイル送金・決済サービス「LINE Pay」においてeKYCを実現しています。

「「LINE Pay」の国内登録ユーザー数は約3,880万人です。主に提供しているサービスは、モバイルペイメント事業が行う送金・決済サービスと、加盟店向けのクーポンやマイカードなどを活用したマーケティング・販促サービスがあります」(金氏)。

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本人確認を行うことで、残高上限やチャージ上限の引き上げなど、利用できるサービスを増やすことができるため、「LINE Payにとってもユーザーにとっても、オンライン本人確認は大事な機能だ」(金氏)といいます。

 

--LINE CLOVAは「LINE Pay」でどのように活用されているのか

LINE Payは、既に『LINE eKYC』を導入しスマホ1台で完結できるオンライン本人確認を実現していますが、サービス開始当初は、ユーザーに紙の申込書を郵送してもらっていたといいます。

「今までの郵送での手続きはサービス提供の遅れにつながっていた。当時はガラケーが主流だったこともあり、撮影された写真の品質がかなり悪かった。今はスマホが登場したことにより、ユーザーから送られてくる写真の品質が以前と比較にならないほど高くなった」(木下氏)と話しています。

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スマホの登場で写真の品質は上がったものの、ユーザーから送られてくる写真の中には、反射やピンボケなど審査基準に不適合なものがどうしても残ってしまいます。

また、本人確認業務には多数の細かいチェックポイントがあり(本人確認書類と本人の顔写真が同一であるか、本人確認書類が偽造されたものではないかなど)、作業担当者の負担はとても大きかったといいます。

 こうした課題を解決するために、本人確認における4つのプロセスでLINE CLOVAが活用されています。


LINE Pay  本人確認

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①本人確認書類を撮影
LINE eKYCでは本人確認書類に特化たOCRモデルを採用し、撮影するだけで本人確認書類内の必要な文字を自動的に検出。

②本人確認書類の厚みを撮影
傾いた状態でも本人確認書類を自動で認識し文字を検出。
※真贋判定機能(本人確認書類の偽造を検知する技術)は8月〜9月にリリース予定。

③本人の顔を撮影
枠内の顔を自動で認識し、本人確認書類の顔を同一人物か判定。

④指定されたポーズを撮影
指定したポーズを自動で認識し、本人確認書類の顔を同一人物か判定。



木下氏は、「LINE CLOVAを活用したことで、審査基準に適した品質の高い写真を送ってもらえるようになった。また、今までは指定されたポーズの写真などを11つ作業担当者が確認していたが、自動で検出し判定してくれるので、現場も非常に助かっている」とメリットを実感しているようです。

コロナ禍の影響もあり、非対面による本人確認のニーズはますます高まっていくと予想されます。一方で、本人確認はまだまだ負荷の高い手続きをユーザーに課しています。そういったユーザーの負担を軽減するため、今後LINEグループの各サービスと連携を強化し、LINEグループ全体で新たな取り組みを行なっていく予定だといいます。

金氏は本セッションの締めくくりとして、「LINE PayLINE CLOVAの高い技術力を利用することで高品質なeKYCを実現することができた。これからもサービスレベルを高め、ユーザーにより使いやすいサービスを提供していきたいと思う」と抱負を述べました。

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■関連情報

LINE Pay



継続的顧客確認業務で活用されるeKYCと今後の展望について

eKYCの活用は、銀行口座開設や新規サービス開始時だけではありません。金融業界における継続的顧客確認業務にも、eKYCは活用されています。

次のセッションでは、企業向けにeKYC関連サービスを提供している企業4社が登壇し、現状の課題や今後の展望、本人確認にLINEアプリを活用することについてディスカッションが行われました。

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--継続的顧客確認とは?

金融機関等は、取引開始時だけでなく取引終了まで継続的な顧客確認を実施し、管理していく必要があります。定期的な実施、かつその頻度を顧客のリスクに応じて変えていくことが求められています。

継続的顧客確認は郵送による手続きが中心のため、大きく3つの課題(*下記図参照)があり、「高コストの中で継続的顧客確認業務が続けられるのか?」「顧客情報の不足がある中で、リスク評価として正しいのか?」といった疑問があげられながらも、今後予定されているFATF勧告及び当局ガイドラインによりその必要性は加速していくというのが実状です。

 

--金融機関が抱える継続的顧客確認業務の課題と展望

そういった背景の中、金融機関が抱える課題について話されました。

セブン銀行の100%子会社で、金融専業のプロセシング事業を展開する株式会社バンク・ビジネスファクトリーは、顧客格付けシステムを独自に開発しています。「(高格付けから低格付けまで)どれだけの範囲で、継続的顧客確認業務を実施すれば良いのかが悩ましいところだ」(同社社長の簗場氏)と話しました。確認の頻度を格付けに応じて変える必要性があり、その前段階となる顧客データの整備を含めて、業務の実効性と効率性のバランスをいかにとるかが一番大きな課題だといいます。

続けて、eKYCサービスや審査業務のBPOサービスを提供している大日本印刷の佐藤氏は、ユーザーへの連絡チャネルについての課題をあげ、「金融機関では、発送したダイレクトメールの10%20%が所在不明などの理由により返却されている。また、住所の変更届けの30%40%が提出されないという問題が起きている」と実状を話しました。

そういった課題を受け、今後は「オンラインチャネルでの対応が必要になってくるだろう」と見通しを示しました。

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では、このような課題を解決するためには、金融機関はどういった対策を打っていく必要があるのでしょうか。

SMBCグループで生体認証関連サービスを提供する株式会社ポラリファイの松山氏は、「どのような副次的効果を狙っていくかが、今後の重要なポイントになると考えている」といいます。
例えば、継続的顧客確認をきっかけに、インターネットバンキングの利用を促進する、または休眠口座の掘り起こしをするなどの効果を狙いながら、包括的にeKYCやオンラインチャネルを活用していくことが期待できるのではないか、と話しました。

 

--今後求められる継続的確認業務のUXとは?

オンラインチャネルの活用について、コストやユーザビリティ、業務負担など様々な課題のある継続的顧客確認業務にまつわる面倒な業務を、スマホ一台で完結できないかという構想のもと、LINE CLOVAでは今後LINEアプリとLINE CLOVAを活用した継続性確認業務サービスを検討しています。

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LINEアプリのプッシュ通知機能を活用することで、
友だち登録をしなくてもメッセージ送信が可能


この取り組みについて、オンライン本人確認の専門機関(サービスプロバイダー)である株式会社TRUSTDOCKの千葉氏は「一番重要なことはユーザーと連絡がきちんと取れること。郵送やメールなど様々なチャネルがある中で、手元にあるスマホで、さらに普段使い慣れているLINEアプリで連絡ができるということはとても意味のある話だと思う」と期待感をあらわしました。

今後は今回登壇した5社で協業し、LINEアプリとLINE CLOVAを活用した継続性確認業務サービスを中心に、各社の強みを組み合わせた取り組みを行なっていくといいます。

また、LINE株式会社の赤石は「継続的顧客確認だけでなく、住所変更の届出やマーケティングコミュニケーションを含め、eKYCに関してユーザーと銀行などの支援を行なっていきたい」と今後のビジョンを語りました。

 

LINE eKYC 詳細はこちら■関連情報

株式会社TRUSTDOCKとLINE株式会社との連携・協業検討について



渋谷区におけるeKYCLINEアプリを活用した行政サービスの効率化

LINE株式会社の福島をモデレーターとし、渋谷区副区長の澤田伸氏と株式会社Bot Express(以下、Bot Express)代表取締役社長の中嶋一樹氏を招いたセッションでは、渋谷区がオンライン申請を導入した経緯や効果、今後の展望についてディスカッションしました。

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--自治体業務で初めて、オンラインで住民票などを申請できる行政サービスを構築

渋谷区は20168月にLINE株式会社と協定を締結し、これまでLINEアプリを活用したサービスを提供するなど、地方自治体の中でも先進的にデジタル化を推し進めています。昨年には、『LINE eKYC』を導入し、LINEアプリ上でオンラインの本人確認を行い、住民票などの申請やLINE Payで手数料の決済ができるサービスを提供しました。現在平均100200/月の申請があり、今後もさらに普及していく見通しだといいます。

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渋谷区のLINE公式アカウントのアクティブユーザー数は2万人を超える

澤田氏は、『LINE eKYC』の導入効果について「一番手続きが多かったのが、住民票の申請だったので区民に利便性を提供できた。(新型コロナウイルス感染症の拡大をうけて)職員も非接触型のサービスにシフトしているので、職員の安全性も担保できる」と手応えを感じています。さらにCLOVA OCRとも連携していることで、職員が対応していた入力業務の中で起きるミスの撲滅につながり、生産性の向上を実感している、といいます。

既に各種申請手続き全体の6割が、来庁せずともオンラインで完結しているといい、「できるだけ職員を創造性の高い仕事にシフトしていけたらいい」(澤田氏)と話しました。

 

--セキュリティとユーザビリティーを両立したUI

「役所のもう一つの窓口をLINEに開設する」というコンセプトを具体化したサービス「GovTech Express」を地方自治体向けに開発するBot Expressは、今回の取り組みの中で構築を手がけました。
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構築にあたり「セキュリティとユーザビリティのバランスを特に重視した」という中島氏は、「LINEアプリを使うことの意味はみんなが使ったことがあり、使い方も知っていること。そのメリットを損なわないよう、特殊なインターフェイスは使わずにLINEアプリの特性を生かした設計にした」と話しました。

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--AI・デジタル活用が広がる余地はまだまだある

今後の取り組みについて澤田氏は、「例えば行政施設の予約は、免許証のコピーを窓口に出向き、提出するというルールなどがある。LINEアプリを活用することやDXを推進することでこういった手続きが楽になる」と説明しています。また、画像認証やOCRAI技術と連携させることにより、行政・ユーザーの両方に便益のあるEnd-to-End の一気通貫したサービスを展開し、自治体における変革をリードしていきたいと、今後の展望について語りました。

また、LINEアプリとの連携については「アジャイルでいろいろ動けるのは強く、テストアンドラーンで取り組みができる。その中で学び取ったものを、次のサービスにすぐに活かしていけるところが、LINEアプリと連携していく大きな強みだと思う」(澤田氏)と述べました。


LINE eKYC 詳細はこちら■関連情報

渋谷区との実証実験について



最高水準のAI技術とLINEアプリの機能をフル活用する『LINE eKYC

イベントの後半では、AI導入の現場で活躍するLINE株式会社の遠藤より、『LINE eKYC』の概要や機能などを紹介するセッションも行われました。

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遠藤は「『LINE eKYC』が目指す世界は『これからのあたりまえ』を創出すること。スマホがこれだけ普及した世の中において、アナログな手法で本人確認をする必要はないのではないか」と話します。

LINE eKYC』は、CLOVA OCR(文字認識)とCLOVA Face(顔認証)を組み合わせ、安全性と利便性を両立した、オンライン上での本人確認を完結するソリューションです。


『CLOVA OCR』  製品の詳細ページへ 

画像や紙面などから文字を抽出しテキストデータ化する技術で、世界最高水準*の認識精度を誇り、eKYCのプロセスの中で4つの機能に活用されています。
*文書解析と認識に関する国際会議(ICDAR:2019/3/29時点)で4分野にて世界No.1を獲得

『LINE eKYC』においては、本人確認書類に特化したOCRモデルを使用しており、読み込まれた画像から、氏名/住所/番号/日付などを自動判別しテキスト化します。

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対応可能な本人確認書類:
運転免許証/運転経歴証明書/マイナンバーカード/パスポート/在留カード


『CLOVA Face』  

本人特定、同一人物であるかを解析する顔認証技術です。高い精度とリアルタイム性を実現し、eKYCのプロセスの中で4つの機能に活用されています。

顔の特徴点を検出し、本人確認書類の顔写真と今撮影した写真が同一人物であるかの判別や、指示通りの動きを検知することで今現在撮影されている写真なのかを判別することで、同一人物の特定の精度を高めています。

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LINE eKYC』は、それぞれの要素技術のみの提供も行なっており、利用用途に応じ、APISDK連携などで簡単に実装することが可能です。

また、ユーザー数の多さ・ユーザーとのコミュニケーションを手軽に行える強みを活かし、オンライン本人確認が完了した後のCRMやマーケティングでの活用、およびLINEアプリとCLOVA Chatbotを組み合わせることで問い合わせの自動化や申請途中の離脱防止などの効果が期待できます。

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これまでご紹介してきたように、eKYCが活用されるケースには「サービス開始時(銀行口座開設時)における新規確認」「口座開設後の継続的顧客確認」「サービスなどの申し込みで発生する都度確認」などがあります。また、本人確認にまつわる様々な手続きを簡略化することで、金融機関・地方自治体・企業とユーザー双方に大きなメリットがあります。

 

今回ご紹介したケース以外でも、本人確認がオンラインで行われる場面は今後広がっていくと予想されます。(リユース(中古品などの再利用)ビジネスや、シェアリングサービスなどで本人確認が必要とされる分野など)

今後ますます注目が進むeKYCの導入をご検討の方は、ぜひ一度お問い合わせください。

 

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