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カスタマーセンターの業務効率化を行うCLOVA Chatbotの導入メリットと導入事例

2020年7月29日〜2020年8月5日に、LINE社の法人向けAI製品・ソリューションに関するカンファレンス『LINE AI DAY』が開催されました

本記事では、コロナ禍の影響で、今まで以上に注目を集めているチャットボットについて、セッション内容をレポートします。CLOVA Chatbotの製品概要や具体的な導入事例、チャットボットの運用のコツなどをご紹介していきます。

(登壇者:LINE株式会社 稲井 優貴、武井 淳)

No.7


顧客と企業のコミュニケーションの変化と、チャネルの多様化

近年、コミュニケーションツールが多様化し、デジタル化が進むことで顧客と企業のコミュニケーションの形は変化し続けています。従来、カスタマーセンターへの問い合わせ方法は主に電話とメールでしたが、スマホ利用者の増加に伴い、公式サイトやメッセージアプリ、チャット経由の問い合わせが増加しています。 

また、企業のDX推進やAIの活用が進むにつれて、チャットボットの問い合わせ対応を行う企業が年々増加しています。

 

--チャットボットが活用される背景

では、チャットボットが注目される背景にはどんなことがあるのでしょうか。

「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2019」によると、消費者の商品やサービスに関する質問や問い合わせで利用経験のあるチャネルを調査したところ、2016年度と2019年度の比較では、電話の利用数が8pt減少する一方で、公式サイト(スマホ)・メッセージングアプリ・チャットなどのスマホを経由した利用数は10pt以上増加しています。

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電話の利用数は減少しているものの、利用経験者が多いことや
活用方法も異なるため、年配者やスマホを使い慣れていない方などの
一定層のニーズはあると考えられる。

 

スマホを起点としたユーザーの問い合わせが増加する現状を踏まえ、LINEの稲井は、「LINEなどでチャットボットを活用することは、ユーザーニーズが大きい(ユーザーから求められている)といえる」といいます。

また、今後の利用意向をみると、メッセージングアプリ・チャットは実際の利用経験は少ないものの、今後の利用意向は高い傾向にあります。

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さらに、消費者が各チャネルを使う理由・使いたい理由をみると、メッセージングアプリ・チャット・チャットボットなどは「待たずに、手軽ですぐに回答が得られる」という期待が大きく、チャットボットによる自動応対はユーザーニーズとの親和性も高く、チャットボットの活用が増えていくと予想することができるでしょう。

--企業がチャットボットを活用するメリット

一方、企業がチャットボットを活用する価値はどこにあるのでしょうか?大きく3つのメリットがあげられます。

  1. 1. 人手不足に備えたリスクヘッジ
    2. コスト削減
    3. 顧客満足度の向上

2030年には人手が644万人不足すると予想されており、将来的な人員不足に備えたリスクヘッジとして、チャットボットが注目されています。

また、問い合わせ対応を自動化することによるコスト削減と、ユーザーニーズに応えることで顧客満足度の向上につながる期待が大きいことも、チャットボット導入のメリットといえます。

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なぜチャットボットの導入・運用がうまくいかないのか

チャットボットへの期待が高まる一方で、どれを選んだら良いかわからない、うまく運用できていないという企業が多いのも事実です。「課題を解決できるツールではないと意味がない」と稲井が指摘するように、課題が不明確でユーザー視点に沿った導入・運用ができない企業がまだ多く存在するといいます。

その原因は次の3つにありそうです。
 

1.導入プロセスの問題

チャットボットの導入について、稲井は「導入に関してはいくつもステップがあるが、目的を達成するためには最初のステップ(該当部分は、下記図の赤枠部分)を踏むことが非常に重要である」と話します。

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導入検討時には、ホームページの導線やFAQの問い合わせの状況を確認する必要があります。現在のユーザーフローを確認することで、ユーザーがどこで何に困っているのか(課題)を見極めるためです。

ユーザー視点で構築を行い、ユーザー属性を分析・理解することで課題に対する解決策が明確になり、飛躍的なコスト削減や顧客満足度の向上が期待できます。

また、チャットボットを導入したからといって、すべてをチャットボットに担わせる必要はありません。CLOVA Chatbotは、オペレーターが対応しないと解決できないような複雑な問題はオペレーターに切り替え、人とAIが分業を行うことで、ユーザーが望む対応を実現することができます。

2.エンジンの精度の問題

チャットボットの肝ともいえますが、ユーザーとの会話の意味内容を理解するエンジン精度が高いと正答率が上がります。 

一般的に、シナリオ量が多ければ多いほど正答率は下がる傾向にありますが、CLOVA Chatbotは4つのエンジンを組み合わることで、世界最高水準の高い正答率を実現しています。

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3.回答形式/ユーザーインターフェースの問題

3つ目は回答形式/ユーザーインターフェイスの問題です。

チャットボットの使いやすさは、ユーザーインターフェースに大きく左右されます。ユーザーに最適な回答を導くためには、チャットボットの回答形式をうまく活用することが重要です。

CLOVA Chatbotには、3つの回答形式があり、①一問一答型(フリーワードの質問に対応)②シナリオ型(ボタン選択でシナリオに沿って分岐)③回答探索型(自動でヒアリングが可能)による対話ができます。

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③の回答探索型はCLOVA Chatbotの特徴でもあり、チャットコマースなどで活用され、聴取が必要な情報を自動でヒアリングすることができます。(例:発注に関する質問の場合、発注時期や利用期間など発注に必要な情報を自動でヒアリングする)


また、LINEのメッセージタイプに対応していることも大きな特徴です。1つの質問に対しボタン形式で回答を選択させる、画像を提示することで視覚的にもわかりやすい形式で回答を提示する、など様々なバリエーションで回答形式を提示することができます。

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使い慣れている方の多いLINEであれば、ユーザーも違和感なくチャットボットを利用することができ、正しい回答を導き出すことが期待できるでしょう。


【CLOVA Chatbot その他の特徴】
・LINEの各サービスとの連携が簡単(LINE以外にも、LINE WORKSやLINE Payなど)
・マルチチャネル連携(Facebook、WEB画面へも簡単に実装可能)
・誰でも設定可能な高機能ビルダー(簡単操作で専門知識不要)
・各指標のダッシュボード機能
・再学習支援・テスト検証 など



以上のように導入時にはユーザー視点で課題を明確にし、高い精度のエンジンを持つチャットボットを選ぶことが重要になってきそうです。

また、ユーザー視点で構築を行い、ユーザーに最適な回答を導くことができるかが、チャットボットの運用がうまくいくポイントであるといえます。

 

CLOVA Chatbot 詳細はこちら

 


 

「LINEかんたんヘルプ」からみるチャットボットの運用テクニック

CLOVA Chatbotは、LINEのファミリーサービスなどで導入されており、セッションでは「LINEかんたんヘルプ」の運用・構築を行う武井が、運用テクニックを紹介しました。 

「LINEかんたんヘルプ」は、友だち数が160万人(イベント開催時点)を超えるLINEの公式アカウントで、月間13万人以上のLINEに関する問い合わせをCLOVA Chatbotで受け付けています。

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LINEのメッセージタイプや有人対応を活用し、ユーザーに最適な回答を導くことで、ユーザーによる自己解決を促しています。また、チャットボットの利用者数を増やすと同時に、顧客満足度の向上も実現できたといいます。

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2018年8月までは満足度50%だったが、リッチメニューのリニューアル、
CLOVA Chatbotにリプレイスしたことで、満足度は67%まで上昇。
正答率は84%以上と高水準を維持している。

 

では、ユーザーが利用したくなる“満足度の高いチャットボット”をどのように運用できたのでしょうか。

ポイントは、3つの日々のオペレーションと運用テクニックにあるといいます。


■3つの日々のオペレーション

1. 各種数値を分析し、ユーザーがどこで正しい回答を得られなかったのかをチェックすることで、課題を発見。
2. 正しい回答を提示できていないユーザーの質問をチェックし、再学習(質問の追加)を実施。
3. LINEのアップデートや変更があった場合には、ユーザーに安心感を与えるため、シナリオの追加や更新を行う。


■6つの運用テクニック

1. 一問一答のシナリオ化
一問一答でユーザーがどのような質問をして、どのような回答を必要としているのか考えてシナリオ化する。

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2. よくある質問からの選択
ユーザーから質問されることが多い内容を「よくある質問」に登録しておき、ユーザーの選択により正しい回答を導き出す。

3. リッチメニューの活用
ユーザーのタップ数が多いリッチメニューにユーザーに知ってほしいことや使ってほしいことを配置する。

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4.メッセージ配信
メッセージ配信で新機能の紹介や役立つ情報を紹介することで、チャットボットの存在を意識してもらう。

5.Chatbotへの流入導線の追加
ヘルプページや目に触れることの多い場所にチャットボットへの導線を効果的に配置する。

6.有人接続設定
オペレーター接続を案内する回答を限定することで、オペレーターの対応工数を削減する。



その他にも、利用ユーザーの年齢層に合わせてわかりやすい表現を使用したり、ユーザーが入力する質問に左右することなく、知りたい内容を選択してもらう設計にするなど、ユーザーの目線に合わせた運用を行なったことで、満足度の向上につながったといいます。

 

--チャットボットの認知度を向上することも大切

武井が「営業時間を工夫したり導線の配置を変えたりすることで、コントロールすることは可能」と説明するように、チャットボットの利用者数の増加に伴い、CSへのメールの問い合わせが減少したという結果を残しています。

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どんなに優れたチャットボットを導入し運用しても、利用してもらわなければ意味がありません。チャットボットを利用してもらうための“工夫”も必要ではないでしょうか。


ここまでみてきたように、チャットボットの導入・運用には様々なポイントがあります。一度ご紹介したポイントに沿って導入チェック、運用チェックをしてみてはいかがでしょうか。

また、LINE CLOVAではチャットボットの提供だけではなく、全体のコンサルティング(導入サポート)も行っています。導入でお困りの方、運用で苦労されている方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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